I Ching for life   易経のある暮らし

易・タロット歴25年 実用的でわかりやすい易経を伝えたい

リーディング例 1: ビジネス:独立すべきか という決断

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リーディングの例

仕事を辞めて、自分でビジネスをすべきかどうかというリーディング例をご紹介します。

 

彼女は、そのための具体的なアイデアも資金も持っていましたが、
独立することに対する精神的な課題、
恐れや他者との関係、
そして自分自身の能力について疑いを抱いていました。

独立したい気持ちはあれど、
できるかどうか、
あるいはやるべきかどうか、
迷いがありました。

 

導き出された答えは、
四爻に変化する九のある40”解”、
そしてそれが7”師”
に変化するというものでした。

 

40”解”、解とはゆるむという意。

卦辞
解の時、西南がよろし。行く所がなければ元の所に戻って吉。
行く所があれば早く動いて吉。

”解”とは、ゆるむ、緊張や困難からの解放、新しいことへ取り組みを意味します。

西南の方向とは、共通した利益のために、
他者と協力することを意味するのですが、この方向に利があること示しています。

また、チャンスを逃さないよう、
手元にあることをいち早く解決するよう述べています。

 

この卦は、新しいビジネスを始めることは、彼女の不安を解き放ち、
新しいエネルギーを解き放つ気持ちを大きく後押しする卦です。

そして、彼女のプロジェクトに、他の人を含める必要があること、
直ちに取り掛かることをアドバイスしています。

 

四爻
つまらぬ者との腐れ縁は断ち切ることだ。同志がやって来て心のこもった交際ができる。

とても、明確なアドバイスです。
現在の仕事に、無意識に頼っている部分を断ち切り、いま一人で始める時期、
断ち切ることで、彼女が持つ内なる力につながることができると述べています。

それゆえ、勇気を持って恐れることなく、自分の道を切り開けば、
必要とする友人やパートナーがやってくるとアドバイスしています。

 

爻辞は、全体的なアドバイスに加え、
より具体的で詳細なアドバイスをもたらします。

 

そして、結果となる、7”師”。

卦辞
師。貞。丈人吉。无咎。
師の時、訂正であるが良い。経験者が道を開く。問題なし。

師とは、戦いを意味し、
効果的な行動を取るため、
機能的なチームとして、物事を組織することを意味します。

物事を整えること、
率いる能力を養うこと、
経験者に相談すること、
勇敢な精神を持つこと
を卦は示しています。

戦いの目的は、
攻撃的な戦争を起こすことではなく、
支(つか)えること、
事を整えること、
自分を守れない人々を守ること。

多くの整然としない物事に取り囲まれています。
それぞれの物事に適切な場所を与えることで、事を正するよう心がける事。
人々を支え、励ます事。
難しい仕事ですが、支えるという姿勢で、困難に立ち向かい、リスクを取る事。

これらは、40”解”を経た次の段階における、別のメッセージです。

ここには、実用的、個人的、精神的全てのレベルにおいて、
成功へと至る明確な機会が提示されていますが、
新しい計画を実行するには、
新たな段取りと、
この分野における経験者からの助けが必要である事を示しています。

40”解”で述べられた、彼女の元にやってくるパートナーとは、この人たちのことを意味しているのかもしれません。

 

結果 まとめ

一人で直ちに始めること、
思い切って普段の行動範囲から大きく抜け出してみること、
この転機に、必要な手助けは、よくあることですが、思いがけない形ですでにそこに存在していること。

今は、全く異なる交友関係、パートナーと関わる、新たなサイクルを迎えており、
自身の仕事、人生にさらに幸福感を感じることができることでしょう。

共存を考える

地中海封鎖生活、共存を考える。

注意報が出てた今年一番の大雨。
ほんとうによく降った。

溶けた南極の氷河、雨となり循環、
今年も発生するだろうと思われる、局地的大雨、

冬にあったオーストラリアの火事、
季節が循環し、今夏北半球に、

そう思い出させる菜種梅雨。

 

先月からSNSで度々見かける、
野生動物が戻ってきたという記事。

先月頭、
野生やぎが庭のすぐ上の崖に現れ、アーモンドの新芽を食べている。
最近、もう少し山奥深い所では、
猪を見かけるようになったと聞く。

食べられた木々は、もっと高く枝を伸ばそうとする。植物は実に賢い。

 

肉の消極的消費、動物愛護には同意するけれど、


畑や木々を持つものにとって、人間臭い観点では、野生動物の姿は、けして手放しで喜べるニュースではないこともある。

共存、共生、
国立公園の隣に暮らす中、
その難しさを肌で感じてきた。

収穫前からアーモンドにやってくる黒リス、
中庸の道として
高い所にある実はリス
低い所は私ら。

猪ややぎと姿が大きくなるともう少し厄介。

手間ひまかけて育てた植物、
動物愛護という言葉で覆えないものがあるのは経験者のみ理解できること。

 

野生動物を遠ざけているご近所の犬の存在。
一方、30年前と比べ、犬猫と暮らす人が増え、減少した野生動物の姿。

 

収穫物からプラスチックまでいろいろ食べる鼠。一方、猫に餌をやることで、少し救える鼠、トカゲ、鳥。
猫は本来、トカゲを食べる生き物ではなかったとか。

そして、生後間もない子猫を狩る野良の雄猫、肉食動物の姿。

 

家族としての動物、そして野生動物。
共存
正直、正解はわからない。

分かってるのは、

人間何も分かっていない
という地点から、
全体を見る必要があるということ。

 

人間、動物、植物、菌、ウィルス(非生物)。

朝起きたら、
侵入者がいた。
(Quella mattina, mi son svegliato e ho trovato l'invasor)
昨年、気候変動の賛歌となったBella ciao。

 

人間はそう思うけど、
これまで他の生物も
ずーっと同じこと、感じていたのだと思う。

そして未曽有な事が
同時に2、3起こるような時代を生きる上で、
避けては通れないもの、

不安と恐れとの共存。

 

チェス王カスパロフは、
何手も先読みすることで勝利を掴む。

不安と恐れの建設的な使い方という意味において、易経も同じ性質を持っている。

 

そして、構成も似ているチェスと易経。

白黒、64マス。

陰陽、64卦。

 

どちらも人生に必要な力を養ってくれるツールとなりえる。

 

そして、
今まだ見えてない将来の出来事に対して、

”明日が来ないかのように生きる。
永遠に生きるかのように学ぶ。
ガンジー”

 

封鎖生活、

共存に

向き合っている。

 

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中国医学とCovid-19 2

回復の段階の経穴

回復の段階では、病原菌(体)を体から排除し、肺と脾臓機能の回復するためには鍼治療を行う。
次の主要経穴を推奨する。

P6 (Neiguan)
ST36 (Zusanli)
GV14 (Zhongwan)
ST25 (Tianshu)
CV6 (Qihai)

次の2次的セットは、各々の個人の症状によって追加する経穴。

肺と脾臓の気の不足(気虚 qi deficiency)に対する、各症状別のセット。

肺の症状(胸の圧迫感、息切れなど)が診断されれば、 CV17 (DNnzhong), BL13 (Feishu), LU1 (Zhongfu) を追加。

脾臓の症状 (食欲不振、下痢) が診断されれば, CV13 (Shangwan) と SP9
(Yinlingquan) を追加.

気と陰の不足(気虚 qi and yin deficiency)の患者のための、次の明確な症状に沿った経穴。

疲れ、息切れがあれば、CV17(Danzhong) と CV8 (Shenque) を追加。

口の渇き、喉乾きがあれば、 KI3 (Taixi) とTB4 (Yangchi) を追加。

動機があれば, BL15 (Xinshu) とBL14 (Jueyinshu) を追加。

おびただしい汗があれば, LI4 (Hegu), KI7 (Fuliu), と ST36 (ZusNnli) を追加。

不眠があれば, HT7 (Shenmen), EX-HN3 (Yintang), EX-HN 19 (Anmian), と KI1(Yongquan) を追加。

たんを共なう患者、肺と脾臓の虚(不足)が根底にある経絡を妨げる停滞に対する追加のガイドライン。

肺、脾臓、心臓(胸の圧迫感、息切れ)を伴う患者に、 BL13 (Feishu), BL20 (Pishu), BL15 (Xinshu), BL17 (Geshu), LU1 (Zhongfu), と CV17 (Danzhong) を追加。

唾液が生成されない場合, ST40 (Fenglong) とEX-B1 (Dingchuan) を追加。

前述の経穴は、鍼、艾、マッサージで刺激することができる。
鍼を用いる場合は、鍼を穏やかに促進し、電流減衰(Ping Bu Ping Xie)技法を利用、鍼の維持時間は20−30分。

艾を用いる場合は、10−15分間経穴はを温めるなくてはならない。施術は、一日一回行うこと。

ヨモギが季節の今、艾づくりのために収穫を!
(良質なヨモギを大量に収穫できる日本が羨ましいです)

 


変化の犠牲者ではなく、
変化の参加者として、
引き続き予防に努めてゆきましょう。
気温差が大きい季節、
どうぞ皆様ご自愛さい。

中国医学とCovidー19

古代中国の叡智、鍼、艾。
先週、北京医療委員会の報告書(下記リンク 英語)が公開されました。
報告書によると、
実に北京の87%のCOVIDー19患者が鍼と漢方の治療を受けており、
その効果率は92%という結果を叩き出しています。
 
 
中国には、西洋医学同様、立派な中国医学病院が街にあり、
10年以上前の話ですが、保険のカバーなしでも、とても経済的であったことを思い出します。
 
西洋医学と異なる中国医学のアプローチの一つは、
同じ疾病で合っても、体質、症状に合わせて、それぞれ個人に合った治療法を行う点。
 
2003年のSARSも乗り越えた中国鍼もぐさ協会が発行したCOVID−19のための治療ガイドライン(第二版)という貴重な情報をあげてくれているので、
ここに日本語訳をシェアいたします。
(専門用語、言い回しの間違い、適切な言葉をご存知であれば、ご指摘頂ければ幸いです!)
 
治療、回復の段階までまとめましたが、
あくまで予防の為の情報です。
パンデミック対応がない病院、クリニックや診療所での、針・艾治療を勧めるものではありません。
感染を広めないためにも、
症状が認められた場合は、
適切な医療機関へ向かわれるよう願います。
 
自分で艾を作ったり/艾に興味をお持ちの方、理解
中国医学、他代替医療に従事される方など、
予防の参考になることを願って。。。
 
以下全て、上記添付リンクの和訳文。
 
予防、治療、回復、この3つのステージに分けられた、経穴のグループ。
 
一回のセッションに、下記の各グループの中から1、2箇所の経穴を選び、それらを組み合わせて使う。
 
「予防段階の経絡」
Group 1: BL12 (Fengmen), BL13 (Feishu), BL20 (Pishu)
Group 2: LI4 (Hegu), LI11 (Quchi), LU5 (Chize), LU10 (Yuji)
Group 3: CV6 (Qihai), ST36(Zusanli), SP6 (SanyinjiNo)
 
以下のグループは、各々の個人の症状によって追加する経穴。
 
熱:
GV14 (Dazhui) 
CV22 (Tiantu)
LU6 (Kongzui)
 
吐き気、ゆるい便、油っぽくコーティングされた拡大した舌、穏やかな(活気のない)脈拍:
GV14 (Zhongwan)
ST25 (Tianshu)
ST40 (Fenglong)
 
疲れ、食欲不振:
CV12 (Zhongwan)
CV9 (Shuifen)
CV7 (Yinjiao)
KI16 (Qizhousixue)
BL20 (Pishu)
 
透明な鼻水、ズキズキする背中の痛み、白いコーティングのある蒼白な舌、標準的な脈拍:
BL10 (Tianzhu)
BL12 (Fengmen)
GV14 (Dazhui)
 
「治療段階の経絡」
治療の段階では、鍼治療は、Pei Tu Sheng Jin (金を生じさせるため、土をせき止める)の法則に基づき病気の進行を防ぐため、気分の劣ろえを解放するために施術する。
 
この段階の主要経穴を、3つのグループに分けた。
 
症状が穏やかな場合には、一回の鍼治療に、グループ1と2から、2−3箇所ずつ経穴を選択する。
症状が重い場合は、グループ3から、2−3箇所の経穴を加える。
 
Group 1: LI4 (Hegu), LR3 (Taichong), CV22 (Tiantu), LU5 (Chize), LU6
(Kongzui), ST36 (Zusanli), SP6 (Sanyinjiao)
Group 2: BL11 (Dashu), BL12 (Fengmen), BL13 (Feishu), BL15 (Xinshu),
BL17 (Geshu)
Group 3: LU1 (Zhongfu), CV17 (Danzhong), CV6 (QihNi), CV4 (Guanyuan), CV12 (Zhongwan)
 
次の2次的セットは、各々の個人の症状によって追加する経穴。
 
長続きする熱:
GV14 (Dazhui)
LI11 (Quchi)
EX-UE11 (Shixuan)
EX-HN6 (Erjian)
 
胸の圧迫感、息切れ:
PC6 (Neiguan)
LU7 (Lieque)
CV14 (Juque)
LR14 (Qimen)
KI6 (Zhaohai)
 
たんを伴う咳:
LU7 (Lieque)
ST40 (Fenglong)
EX-B1 (Dingchuan)
 
下痢、ゆるい便:
ST25 (Tianshu)
ST37 (Shangjuxu)
 
黄色の粘り気のあるたんを伴う咳と便秘:
CV22 (Tiantu)
TB6 (Zhigou)
ST25 (Tianshu)
ST40(Fenglong)
 
軽度の熱、吐き気、ゆるい便、白く油っぽいコーティングを伴う紫ー赤がかった舌:
BL13 (Feishu)
ST25 (Tianshu)
SP14 (Fujie)
PC6 (Neiguan)
 
回復の段階
そして
針治療、艾施術の行い方へと続く。


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