I Ching for life   易経のある暮らし

易・タロット歴25年 実用的でわかりやすい易経を伝えたい

遺産としての意識

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意識とは、”ある”ものを、”ある”と感じること。

平和であることを、感じれなくなることが、平和ボケ

感じることができれば、平和の自覚

ある と ない は 紙一重。

それは、右脳と左脳という、肉体的な違いでもあり。

 

あるものをあると感じることに役立つ、お気に入りの本、

”奇跡の脳 ジル・ボルト・テイラー著”。
(彼女のTED講演もあり)

 

ハーバード医学校の脳科学者であった彼女が、ある日脳卒中に見舞われる。

 

自分の脳の機能が失われてゆく過程、そしてそれらを回復してゆくという奇跡的な経験を、
学者として、
患者として、
人間として、内側から綴った本。

 

言語運動、計算、予測機能を司る、判断することが出来る左脳。
物を全体として認識する(区別することができない)右脳。

 

左脳が機能しない、
つまり左脳が右脳を抑制しなくなることで浸ることが出来る、
全てと融合した(oneness )世界。

 

左脳の機能を8年かけて取り戻し、
どちらの手足を先に出すかと考えることなく、
階段を二段飛ばしで登れた彼女の喜び。

普段意識し忘れているものを意識する、そこに見いだす喜び。

 

 

全体と個人の意識は、常に発展途上にある。

知る権利、自由権、女性の選挙権など、まだ全ての国ではないけれど、
多くの国で、当たり前の事が当たり前として認められるようになった。

 

認める人(量)が多ければ、それが一つの質、意識となる。

手ぶらで生まれ
手ぶらで逝く。

継続する意識。

 

 

意識は、全体から受け継ぎ、全体へ伝える遺産である。

受け伝わるからには、
自分の中の、選りすぐりものを発信しようと思う。

卦のペアについて

2月も逃げるように去り、季節は変化し、
地中海には、また春が巡ってきました。

 

今日は、
卦のペア 卦49”革”と卦50”鼎(かなえ)”、変化から変換へというお話。

 

易経には、1から64まで卦があり、
卦1と卦2、・・・・卦63と卦64は、ペア/対になっています。

 

例えば、最初のペア、卦1”乾”と、卦2”坤”。

卦の形を並べて見ると、
”乾”は、全て陽爻であるのに対し、
”坤”は、全て陰爻。

そして、卦が示す意味のペア、
”乾・坤”、とは、
”陽・陰” の意味を表しています。

 

このような関連性が、最後のペアである
卦63”既済”と 卦64”未済”まで続いてゆきます。

 

その中で、今日は、1組のペア、
卦49と卦50についてのお話。

 

まずは、卦50”鼎”。

鼎は、3本足がついた器のことを指し、調理するために使われていたものですが、
次第に、食べ物を盛る器として、祭祀の儀式で、神や祖先に供物をささげる神聖な器として、人とスピリットの間で食物を共有するために使われました。

下記の写真はその一例ですが、青銅の器で、この文化財の重さと存在感を感じていただけるかと思います。

鼎は、ものを収容し、調理するために使われたことから、取り込み、変換することを表します。

変換とは、「新しいものを把握する」という意味でもあり、理解という確固とした基盤の上に、何か新しい秩序を確立することを表します。

また、鼎は、スピリットに問いかけることを意味します。
鼎は、そこに居合わせるスピリットとの開かれたコミュニケーションの一部となり、
変換という作用に関わるものです。

 

 

この変換も、その前の卦49”革”、
つまり根本的な変化なしでは起こり得ません。

根本的な変化とは、過去を片付けること。

周時代の前に栄えていた商王朝は、独裁君主政治で、政治的に腐敗していたようです。

その退廃的な政治と、生贄を含む、神聖さとは程遠い残酷な迷信的宗教性、精神性を一新する目的で、周王朝が確立されたとも言われています。

 

この卦49から卦50へのストーリーは、商から周へという、時代の移変りと重なります。

 

古い方法を捨てない限り、真に新しい関係、理解、存在の方法を確立することはできません。
前回の、易とシャーマンの記事で述べた易経の著者の一人である文王は、歴史的な事例を通し、このことを痛感していたことでしょう。

 

易が述べる根本的な変化とは、
あなたの古いアイデンティティを捨て、今の新しい自分と一致させる、
新しいあなたのあり方と、新しい他者との関わり方を試す時、というアドバイスです。

また、”革”という文字は、動物の皮という意味を持っています。
アイデンティティーと力、それらを得るために、シャーマンたちは皮を身につけていました。

 

 

外なる変化は、内側の意識の変化から。

変化と変換は、
あなたの人生が、より素晴らしい”器”であるため、
必要不可欠な過程です。

 

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写真:商時代の鼎

易とシャーマン

 

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世界の様々な文化において、はるか昔から行われ続けている、占術。

古代中国では、動物の骨や亀の甲を火にくべ、割れ裂け目から、
古代ローマ以前に栄えていたエトゥルスキの文化では、鳥の内臓から、
重要事項を判断するため、行われていた占術。

 

日本では、卑弥呼のように、国の党首が巫女つまりシャーマンであった時代がありました。

易経の「卦辞」を作ったと言われる周時代の文王(その後、周公が「爻辞」作成。)は、
王であり、シャーマンでもありました。

遷都、どう戦いに挑むか、人事の任命など政治的な決断事項に、易経が使われました。

シャーマンは、様々な方法で超自然的な存在と繋がり、気・エネルギー(の流れ)を読み伝えます。

 

易経には、祖先という言葉が数回登場します。

祖先は、精神、スピリット(肉体を持たないエネルギー体)の世界とのつながりを象徴しています。
じっくり考えたい時、ガイダンスが必要な時、人は祖先が眠る場所へと足を運ぶこともあります。

祖先は、潜在意識世界の知恵と力への開かれたドアでもあり、 そして、”自分の現在”を構成する、エネルギーの流れの一部だとも言えると思います。

 

また、
万物には気が宿っている、
賢者は守護スピリットを持っているといった、
目に見えない存在が暮らしの中にありました。

 

古老のシャーマンは、守護スピリットを住まわせるため、
魂という家を掃除するなどと言ったものです。

 

原因(問題点)、兆し、変わってゆく世の流れ、自分内外のエネルギーの流れを読み取り、理解し
具体的な行動や指針を知るという、光明な精神を育む。

 

そんなシャーマン古道を歩むための易経、
これも、この書が持つ顔の一つです。

 

調和するものは持続する、という自然界の法則の一つ。 紀元前11世紀 - 紀元前256年と、周の時代が長く続いたのも、 易経という叡智に支えられてとのことだと思います。

 

3つのコインがある暮らし、
今年も、実用的な精神世界のお話をお届けしてゆければと思います。

 

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変化のシンボルでもある、蜥蜴。

一陽来復

易経24卦”復”から生じた言葉、一陽来復。

24卦は、陰が極まった後(六爻(こう)全て陰爻)、

初爻が陽爻に転ずる卦であることから、
一陽来復は、暗さが最も極まり、明るさが戻る冬至を表します。

 

古代ゲルマン民族は、冬至を一年の始まりと考えており、
また、ローマカトリック教成立以前にあったペーガンも、
太陽を信仰していたので、太陽が復活する冬至は、特別なお祝い事でした。

 

世の中は、クリスマス一色ですが、
クリスマスは元々、このペーガンの冬至を祝う習慣のことでした。

 

”復”

困難の後、戻ってくるエネルギーと精神、新たなサイクルの始まり、再生、新たな希望。

この新しいエネルギーに立ち返り、もう一度始める。
原点回帰、最初の純粋さを取り戻す。
スムーズに事が終わり、始まる時、
ストレスをかけずに、事を顕わにする。
新しいアイデアを受け入れる。

 

クリスマスも良いけれど、
我が家は、
太陽という時計が差す、00:00冬至に重きを。
始まり に 始める、
自然という暦に調和した暮らし。

 

 

皆様、
心暖かな冬至をお過ごしください。


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笑う門には福来たる (タオー永遠なるバランスという道)

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笑いは、心身リラックス法として、とても有効であること、そして笑うことで血流がよくなることなどから、免疫力向上に効果的であることが、世界の様々な研究結果で示されています。


日々の生活の中で、誰かが向けてくれた微笑みに、ふわっと心が緩まることがあります。
赤ちゃんに微笑むと、赤ちゃんは微笑み返してくれるように、
笑顔は、伝染するという不思議な性質を持っています。

 

この笑い、微笑みが持つ力を取り入れたものに、
インナースマイル(内なる微笑み、内笑瞑想)というタオイストの瞑想法があります。

 

自分の内面、呼吸を観察し、内臓に、そして腺という特別な液を分泌する器官(中でも胸腺は特に重要)に微笑む

というテクニックです。

 

背骨、ハート、丹田に、
症状を抱える体の部位、自分の気を低下させる感情にも、微笑むことで、
より良質で多大な気のエネルギーを巡らせ(伝染させ)、予防と改善に役立てることができます。


私は、これをヨガのシャヴァーサナのポーズ、霊気シンボルを書く時、そして、日常生活全般に取り入れています。

 

目覚めてすぐベットから出る前の時間、
待ち時間、
就寝前、
ハートに微笑み、

そして丹田のあたりに、暖かく光を放つようなこの微笑むエネルギーを感じ、
体全体に広げてゆきます。 

インナースマイルを行うと、体と心の緊張が解け、表情は自然と笑顔になっていることに気づかれると思います。

 

日常生活の一部である瞑想。
ちょっとした隙間時間を利用することで、より実用的に瞑想を取り入れることができるものです。

 

笑いは、ネガティブをポジティブへと変える、非常に強力なエネルギー変換法。


インナースマイルは、実際に体感することができるポジティブエネルギーそのものです。         

 

 

「笑う門には福来たる」

ポジティブなエネルギーが宿る「体と心」という家は、

クオリティーの高いエネルギーである「幸運」を引きつけます。

 

占術を行う側にも、受ける側にとっても、インナースマイルは、
占術を最大限に活かす上で、とても大切なウォームアップ作業です。