I Ching for life   易経のある暮らし

易・タロット歴25年 実用的でわかりやすい易経を伝えたい

ユング、シンクロニシティ、易経

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ユングによる絵。From The Red Book

 

西洋における易経の定番、リチャードウィルヘルム著 易経の序文を送ったユング。

ユングが易経、シンクロニシティについて語った文章をご紹介します。

 

カール・グスタフ・ユング著 
思い出、夢と反射 ページ373-374 より引用

 

「ダルムシュタットでの「知恵の学校」の会議が行われた、キーサーリング伯爵宅で、
初めてリチャード・ウィルヘルムに出会いました。
それは、1920代前半のことです。
1923年に彼をチューリッヒに招待し、心理学クラブで、易経について講演してもらいました。

 

彼に会う前から、私は東洋哲学に興味があり、1920年頃に、易経を実験し始めました。

ボリンゲンでのある夏、私はこの謎めいた本に全力で取り組む決心をしました。
伝統的な筮竹法であるノコギリソウを使う代わりに、自分で葦を刈り取り、
何時間もの間、樹齢百年の梨の木の下に座り、傍に易経を置き、
質問と回答という相互作用の中、神託の結果と質問を照らし合わせながら、                

手法を実践しました。
疑う余地のない、驚くべきあらゆる種類の回答により、
自分でも説明できなかった、自分の思考プロセスに関する意義深いつながりが明らかになりました。

 

夏の休暇の間、ずっと、私はある問題に没頭していました。
易経の答えには、果たして意味があるかどうか?
もし意味があるのなら、超自然的な出来事と物理的な出来事という、二つの出来事は、
一体、どのようにつながりを作り出すのだろうか?
何度も繰り返し経験した驚くべき偶然は、非因果的並行性(後にシンクロニシティと命名)という考えを示唆しているように思えました。
この実験にあまりにも魅了され、メモを取るのをすっかり忘れていたことを、            

今となっては大変後悔しています。
しかしながらその後、頻繁に患者を相手に試みる際、
相当数の回答が実に的を得たものである、ということが非常に明確になりました。