全ては陰と陽の関係によって生じるという、伝統的な中国思想の根源にあるものです。
万物の変化は、陰と陽で形成され、
陰陽が相互に作用しあうことで生じるというのが、易という学問の基礎です。
☯陰陽は、相対的に相反するものである
昼は 陰である夜に対して、陽です。
活発な動きは、陰である休息に対して、陽です。
陽はダイナミックで、物事を動かし、前へと突き進みます。
それは、明るく、熱く、収縮的で、行動を起こします。
陰は受動的で、受け止め、反応します。
それは、暗く、冷たく、開放的で、何かに基づいて行動します。
☯陰陽は、無限に分けることができる
例えば、温度は、冷たい(陰)と熱い(陽)に分けることができますが、冷たさも、氷の様に冷たい(陰の中の陰)のか、適度に冷たい(陰の中の陽)のか、というように、さらに分けることができます。
☯陰陽は、相互依存する流れ
陰陽を、中国式漢字で表すと、陰阳になります。
陰は、陰った側の丘を、阳は、日が当たる側を示しています。
丘が一つの側面だけで存在することがないように、
陰のない陽、陽のない陰は存在することができません。
ですから、闇なしに、光は存在せず、拡大なしに、縮小は存在しません。陰陽は、このように、相互に関連することで存在するものです。それぞれが、もう一方に頼ることで存在しています。
自然が生き延びるために、雨(陰)と乾燥(陽)を必要するように、陰陽、相互的にバランスがとれた関係が、全てにおいて不可欠です。
☯陰陽は、お互いを消費し合い、そして支え合う
陰陽のバランスは、固定された状況ではなく、
活発な動きと、休止という二つの力が交互に入れ替わることで成し遂げられる、連続した流れです。
夜は昼を消費し、夏は冬を消費します。
男性と女性は、お互いを支え合い、右脳と左脳は、お互い支えあいます。
☯陰陽は、お互いを、お互いに変化し、進化させる。
陰陽は固定されたものではなく、春夏秋冬と季節が移り変わるように、
極まった陽(夏)は極まった陰(冬)へと変化、転化することで、自然は循環を作り出しています。
又、変化し循環するだけでなく、混ざり合うことで、新しいものが生まれ、新しいものへと進化します。
自然現象である天と地が交わることで、植物が育まれ、男性と女性が交わって、新しい生命が生まれます。
これらの周期的な動きが引き起こす、連続した移り変わりに、万物は依存しています。
私たちの人生も、陰と陽の間で流れています。
生命を支える呼吸のように、拡張と収縮を繰り返しながら流れています。
万物、変化しないものがない中、
大切なのは、陰陽のバランスをとるということです。
「陰陽調和」は、易経の目的ではなく、易経そして人生の基礎である、というのが私のスタンスです。